経営を止める「出羽守」に注意。シニア人材がボトルネックになる会社の共通点
- Daisuke Neigisi

- 16 時間前
- 読了時間: 7分
最近、Tomorrow Future株式会社(TF)では、システム開発やAI活用だけではなく、経営課題そのものからご相談いただく機会が増えています。
新規事業をどう立ち上げるか。
組織をどう作るか。
プロジェクトをどう立て直すか。
ベトナムオフショア開発をどう活用するか。
既存システムをどう刷新するか。
こうした相談を受けていると、多くの企業に共通する課題が見えてきます。
それが「人」の問題です。
そして最近、特に注意した方がいいと感じているのが、いわゆる「出羽守」と呼ばれるタイプの人材です。
※「出羽守(でわのかみ)」とは、何かにつけて「海外では〜」「ほかの業界では〜」「前の会社では〜」など、他者の事例を引き合いに出して自慢げに語ったり、現在の組織や人を批判したりする人を揶揄する俗語・ネットスラングです。
もちろん、海外経験や大企業での経験、他業界での知見そのものは非常に価値があります。
問題なのは、経験を「材料」として使うのではなく、「正解」として押しつけてしまうことです。
「前の会社では」が経営を止める
企業の経営課題を支援していると、このような言葉を耳にすることがあります。
「前の会社ではこうしていました」
「大企業では普通こうです」
「アメリカではそんなやり方はしません」
「この業界ではそれが常識です」
参考情報として話しているのであれば何の問題もありません。
むしろ、過去の経験を共有してもらえることは組織にとって大きな財産です。
しかし危険なのは、その経験を現在の会社にそのまま適用しようとするケースです。
会社によって、売上規模も違います。
社員数も違います。
顧客も違います。
事業フェーズも違います。
資金力も違います。
組織文化も違います。
当然、取るべき戦略も違います。
それにもかかわらず、
「以前成功したから今回も正しい」
という思考になってしまう。
これが組織のボトルネックになります。
特に危険なのは「成功体験の強い人」
これはシニア人材だから問題なのではありません。
むしろ経験豊富な人材は、本来企業にとって大きな戦力です。
しかし、経験が豊富であるがゆえに、過去の成功体験から抜けられなくなることがあります。
10年前に成功した方法。
大企業で成功した方法。
前職で成功した方法。
海外で成功した方法。
これらが、現在の会社でも成功するとは限りません。
特に現在は生成AIによって、システム開発、マーケティング、営業、経営管理など、あらゆる仕事の前提が急速に変化しています。
数年前の「正解」が、今では最適解ではないことも珍しくありません。
だからこそ、これから重要になるのは、
「私は知っている」
という人ではなく、
「今の状況なら何が一番いいのか?」
を考えられる人だと思っています。
出羽守が組織に与える3つの悪影響
私が特に問題だと思うのは、次の3つです。
1.意思決定が遅くなる
新しい提案が出るたびに、
「前職では違った」
「普通はそんなやり方をしない」
という議論が始まります。
しかし経営に必要なのは、「一般的に正しいか」ではありません。
「この会社にとって今、何が最適なのか」です。
他社事例の議論ばかりしていると、意思決定のスピードが落ちます。
市場環境がこれだけ速く変化する時代において、意思決定の遅さは大きな経営リスクです。
2.若手や現場から意見が出なくなる
経験豊富な人が、
「そんなものは昔からある」
「それは以前失敗した」
「海外ではそんなことはしない」
と毎回否定していたらどうなるでしょうか。
現場は次第に発言しなくなります。
新しいアイデアも出なくなります。
結果として、経験豊富な一人の意見だけで意思決定される組織になってしまいます。
これは非常に危険です。
経験は重要ですが、経験が未来の可能性を潰してはいけません。
3.会社ではなく「自分の正しさ」を守り始める
ここが最も厄介です。
本来議論すべきなのは、
「会社にとって何が良いのか」
「顧客にとって何が良いのか」
です。
ところが議論が、
「誰の意見が正しいのか」
に変わってしまうことがあります。
こうなると、経営課題を解決するための会議ではなく、自分の経験や立場を守るための会議になってしまいます。
これでは会社は前に進みません。
優秀なシニア人材は「経験を捨てられる」
一方、本当に優秀なシニア人材は全く違います。
経験は豊富なのに、それを絶対視しません。
「以前はこうだった。でも今回は違うかもしれない」
「この会社の規模なら、もっとシンプルにした方がいい」
「若いメンバーのアイデアを一度試してみよう」
「AIを使えば、以前とは違うやり方ができるかもしれない」
こういう判断ができます。
私は、これこそが本当の経験値だと思っています。
経験とは、「過去の答えを知っていること」ではありません。
たくさんの経験を材料として使いながら、「現在の最適解を考えられること」です。
経営に必要なのは「正論」ではなく「前進」
企業経営をしていると、正論を言う人にはたくさん出会います。
「本来はこうあるべきです」
「普通の会社ならこうします」
「大企業ならこのプロセスです」
もちろん正しい。
でも、中小企業やスタートアップ、新規事業の現場では、正論だけでは会社は動きません。
予算が足りない。
人が足りない。
時間が足りない。
ノウハウが足りない。
それでも結果を出さなければならない。
経営とは、そういう世界です。
だからTFが大切にしているのは、評論することではありません。
一緒に考え、一緒に手を動かし、結果が出るところまで支援することです。
TFは「システムを作る会社」から「経営課題を解決する会社」へ
TFはこれまで、日本とベトナムを活用したシステム開発、PM・PMO支援、AI活用、新規事業開発など、さまざまなプロジェクトをご支援してきました。
しかし最近は、それだけではありません。
「そもそも何を作るべきなのか」
「この事業に投資すべきなのか」
「プロジェクトが進まない原因は何なのか」
「社内の誰を責任者にすべきなのか」
「外部パートナーをどう使うべきなのか」
という経営レベルの相談から入ることが増えています。
システム開発の問題だと思って調べてみたら、実際には組織の問題だった。
技術の問題だと思っていたら、意思決定の問題だった。
プロジェクト管理の問題だと思っていたら、人間関係の問題だった。
こうしたケースは珍しくありません。
TFとしても、単なる開発会社ではなく、投資判断、複雑なプロジェクト、ガバナンス、運用まで含めて支援することを重要なポジションと考えています。
「人の問題」はシステムでは解決できない
AIを導入しても、最新のシステムを導入しても、高性能なSaaSを導入しても、最後に意思決定するのは人です。
だからこそ、企業を成長させるうえで「誰と仕事をするのか」は非常に重要です。
経験が長いから優秀。
大企業出身だから優秀。
海外経験があるから優秀。
有名企業出身だから優秀。
私はそうは思いません。
大切なのは、
「今、この会社を前に進められる人なのか」
です。
過去の経験を武器にして未来を作る人なのか。
過去の経験を盾にして新しい挑戦を止める人なのか。
似ているようで、まったく違います。
出羽守を見つけたら、「何が目的なのか」に戻す
もし社内に、
「前の会社では」
「海外では」
「大企業では」
という話が極端に多い人がいたら、一度注意深く見てみることをおすすめします。
その人の経験を否定する必要はありません。
重要なのは、
「今回の目的は何なのか」
「今回の会社の状況では何が最適なのか」
「それによってどんな成果が出るのか」
という議論に戻すことです。
他社事例は参考資料です。
経営の答えではありません。
会社の未来を作るのは、過去の成功事例ではなく、目の前の状況を理解して意思決定し、実行できる人です。
TFでは、システム開発、AI活用、ベトナムオフショア開発だけではなく、こうした経営や組織の課題についてもご相談をいただいています。
「何が問題なのか分からない」
そんな段階でも構いません。
むしろ、その状態から一緒に整理するのが私たちの仕事です。
経営、新規事業、IT、AI、組織、人材。
何でもご相談ください。
Tomorrow Future株式会社は、企業を前に進めるためのパートナーとして伴走していきます。




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