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「大企業の正解」はスタートアップでは通用しない。企業規模で変えるシステム開発の進め方

執筆者の写真: Daisuke Neigisi
Daisuke Neigisi
5 時間前
読了時間: 8分

システム開発や新規事業のプロジェクトに携わっていると、毎回新しい学びがあります。

その中で、私たちTomorrow Future株式会社(TF)が強く感じていることがあります。


それは、

「企業規模によって、プロジェクトの正しい進め方はまったく違う」

ということです。


スタートアップ、中小企業、大企業。


同じ「システムを作る」というプロジェクトでも、予算の考え方、意思決定の方法、スピード感、必要な資料、リスクの取り方、プロジェクト体制は大きく異なります。


これは教科書を読んだだけでは、なかなか分かりません。


実際にさまざまな規模の企業と一緒にプロジェクトを進め、成功も失敗も経験して、初めて見えてくる領域だと思っています。


大企業は「予算を確保してから始める」

大企業のプロジェクトでは、多くの場合、まず予算を確保することが重要になります。


何を作るのか。


なぜ必要なのか。


どれくらいの投資が必要なのか。


どのような効果が期待できるのか。


どんなリスクがあるのか。


いつまでに実施するのか。


こうした情報を整理し、社内で合意形成を行い、予算を確保してからプロジェクトがスタートします。


場合によっては、システムを作ることそのものより、予算を取るための準備のほうが重要になることさえあります。


稟議、セキュリティ、法務、購買、内部統制、既存システムとの連携、複数部署との調整など、開発以外にも考えなければならないことが非常に多いからです。


そのため大企業のプロジェクトでは、「とりあえず作ってみましょう」だけでは進みません。


経営判断に必要な材料を揃え、関係者との合意を形成し、予算化する。


そこから開発をスタートさせる。


これが重要になります。


スタートアップは「小さく始めて、結果を見て投資する」

一方、スタートアップでは事情が大きく異なります。


潤沢な資金を持つ企業ばかりではありません。

限られた資金の中で、プロダクトを作り、顧客を獲得し、売上を作り、次の資金調達や投資につなげなければなりません。


だからこそ、


「最初から完璧なシステムを作る」


という発想が、必ずしも正解ではありません。


例えば最初に300万円を投資する。


そこで小さなサービスをリリースする。


顧客の反応を見る。


売上が発生する。


仮説が正しかったことを確認する。


そこで初めて次の1,000万円を投資する。


さらに事業が伸びれば、より大きな予算を投入する。


こうした段階的な投資のほうが合理的なケースがあります。


最初から大きな予算を使うのではなく、小さな資金で仮説を検証し、レバレッジが効くポイントを見つけてから投資額を増やしていく。

スタートアップでは、この感覚が非常に重要です。


中小企業には、また別の進め方がある

そして、意外と難しいのが中小企業です。


大企業ほど潤沢なIT予算があるわけではない。


しかしスタートアップのように、すべてをゼロベースで作り直せるわけでもない。


既存事業があります。


既存顧客がいます。


社員がいます。


長年使ってきた業務フローやExcel、基幹システムなどもあります。


だからこそ中小企業では、

「既存事業を止めずに、どこから変えるか」

という視点が非常に重要になります。


いきなり数千万円をかけて全面刷新するのではなく、経営課題を整理し、最も投資対効果の高い場所から変えていく。


場合によっては、新しいシステムを作る必要すらありません。


既存システムの使い方を変える。


業務フローを変える。


SaaSを組み合わせる。


AIを導入する。


一部だけスクラッチ開発する。


それだけで大きく改善することもあります。


TFが「まず経営課題から見る」ことを大切にしている理由もここにあります。


プロジェクトの失敗は、技術より「最初のボタンの掛け違い」から始まる

私たちがさまざまなプロジェクトに関わってきて感じるのは、失敗の原因が必ずしも技術力不足ではないということです。


むしろ、

「そもそも進め方が企業の状況に合っていない」

ことがあります。


例えば、大企業のプロジェクト経験しかない人がスタートアップに入り、

「まず要件をすべて固めましょう」「予算を確定させましょう」「半年かけて設計しましょう」


と言ったらどうでしょうか。


その間に資金がなくなってしまうかもしれません。


逆に、スタートアップの感覚だけで大企業に入り、

「まず作ってみましょう」「細かいルールは後から考えましょう」

と進めれば、セキュリティや内部統制、既存システムとの整合性などの問題によって、プロジェクトそのものが止まる可能性があります。


どちらが正しい、間違っているという話ではありません。

企業の状況が違うのです。


だから、進め方も変えなければならない。

ここを理解せずにプロジェクトを始めてしまうと、最初の段階でボタンの掛け違いが起きます。


本来なら実現できたはずのプロジェクトが、できなくなってしまうことさえあります。


AI時代だからこそ「経験」の価値が上がる

生成AIによって、システム開発は大きく変わりました。


プログラミング、設計、テスト、ドキュメント作成、調査。


これまで人間が多くの時間を使っていた作業をAIが支援できるようになっています。


これから開発スピードはさらに速くなっていくでしょう。


しかし、AIだけでは簡単に代替できない領域があります。


それが、

「この会社の場合、どう進めるべきか」

という判断です。


今、5,000万円を投資するべきなのか。


まず500万円で検証するべきなのか。


システムを作るべきなのか。


既存サービスを活用するべきなのか。


PoCから始めるべきなのか。


最初から本番を見据えて設計するべきなのか。


経営者が直接意思決定するべきなのか。


プロジェクトオーナーを置くべきなのか。


どこまで内製化し、どこから外部を使うべきなのか。


こうした判断には、技術知識だけではなく、実際のプロジェクト経験が必要です。


AIによって「作る能力」が民主化されればされるほど、「何を、いつ、どの順番で、どこまで作るのか」を判断できる人間の価値は、むしろ高くなると考えています。


TFが提供したいのは「開発」ではなく「適切な進め方」

TFは、単にシステムを開発する会社でありたいとは考えていません。


スタートアップには、スタートアップの戦い方があります。


中小企業には、中小企業の戦い方があります。


大企業には、大企業の戦い方があります。


そして、新規事業、基幹システム刷新、AI導入、業務改善、ベトナムオフショア開発でも、それぞれ最適な進め方があります。


必要なのは、すべての企業に同じ開発プロセスを当てはめることではありません。


その企業の経営状況、予算、組織、事業フェーズ、既存システム、意思決定プロセスを理解したうえで、

「今、この会社にとって何をすることが最も合理的なのか」

を考えることです。


私たちは、大小さまざまな企業、さまざまなフェーズのプロジェクトに伴走してきました。


だからこそ、最初から巨大な開発チームを提案することが正解だとは考えていません。


逆に、必要な投資まで削ってしまうことが正解だとも考えていません。


100万円で始めるべきなら100万円から始める。


1,000万円の予算を確保してから進めるべきなら、そのための材料を先に揃える。


大規模な体制が必要なら、最初からその前提で設計する。


重要なのは「売りたいものを売ること」ではなく、「その企業に合った進め方を設計すること」です。


システム開発の前に「どう進めるか」を相談してほしい

「システムを作りたいけれど、何から始めればいいか分からない」


「新規事業を立ち上げたいけれど、最初にいくら投資すればいいか分からない」


「ベトナムオフショア開発を活用したいけれど、体制の作り方が分からない」


「開発会社に相談すると、すぐに見積もりの話になってしまう」


「経営課題はあるけれど、そもそもシステム開発が解決策なのか分からない」


こうした段階でこそ、ぜひ相談していただきたいと思っています。


企画が完成している必要はありません。


要件定義書も必要ありません。


予算が完全に決まっていなくても構いません。


むしろ、その前から一緒に考えることに価値があります。


経営課題を整理する。


投資すべきポイントを決める。


小さく始めるのか、予算を確保して一気に進めるのかを判断する。


必要なチームを作る。


開発する。


運用する。


結果を見ながら、次の投資を判断する。


TFは、企画・要件定義・システム開発・AI活用・ベトナムオフショア開発・運用改善まで、企業の状況に合わせて伴走します。


システム開発には、万能な「正しい進め方」はありません。


あるのは、

「その会社、その事業、そのタイミングに合った進め方」

です。


そして、その違いを見極める力は、実際にさまざまな現場を経験することでしか身につかない。


私たちは、その経験をクライアントの経営とプロジェクトに還元していきたいと考えています。


 
 
 

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