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AIで「綺麗な資料」は誰でも作れる。でも、意思決定できる資料は経験者にしか作れない

執筆者の写真: Daisuke Neigisi
Daisuke Neigisi
10月7日
読了時間: 7分

生成AIの進化によって、資料作成は驚くほど簡単になりました。


企画書、提案書、事業計画書、要件定義書、システム構成図、ロードマップ。


以前なら数時間、場合によっては数日かかっていた資料でも、ChatGPTやGeminiなどの生成AIを活用すれば、短時間でそれなりに綺麗なものを作ることができます。


PowerPointのデザインも整っている。文章もそれらしい。市場分析も入っている。ロードマップもある。


一見すると、非常によくできています。


しかし最近、私は強く感じています。


「綺麗な資料」と「意思決定できる資料」は、まったく別物です。


そして悲しきかな、AIがどれだけ進化しても、その差は簡単には埋まりません。

AIによって「資料を作る能力」の価値は大きく下がった


以前は、PowerPointを綺麗に作れること自体に一定の価値がありました。

情報を整理し、図にし、文章にまとめ、経営者や顧客に説明する。


それだけでも相応のスキルが必要だったからです。


しかし生成AIの登場によって、この領域は一気に民主化されました。

「新規事業の企画書を作ってください」「システム開発のロードマップを作ってください」「経営会議向けの資料を作ってください」


そう指示すれば、AIは数秒から数分でそれらしいアウトプットを返してくれます。


これは素晴らしい進化です。


Tomorrow FutureでもAIを積極的に活用しています。


むしろ、これからのビジネスパーソンにAI活用は必須だと考えています。


ただし、ひとつ大きな落とし穴があります。


AIは「資料」を作れても、「結果」を経験したことはありません。


経験がない人は、AIを使っても結果を描けない

ここが非常に重要です。


例えば、新規事業の企画書を作るとします。

AIに聞けば、市場規模、競合分析、ターゲット顧客、ビジネスモデル、収益モデル、ロードマップ、KPIまで綺麗に整理してくれます。


しかし、本当に重要なのはそこではありません。

「この事業を実際に始めたら、どこで詰まるのか」

「営業は本当にできるのか」

「顧客は本当にお金を払うのか」

「誰をアサインすれば成功確率が上がるのか」

「半年後に何が起きるのか」

「この数字は現実的なのか」

「失敗するとしたら、どこなのか」


こうしたことまで想像できなければ、経営判断には使えません。


これはシステム開発でも同じです。


AIに要件定義書を作らせることはできます。


システム構成図も作れます。WBSも作れます。見積もりの叩き台も作れます。

しかし、


現場ではどんな例外処理が発生するのか。


どの部署との調整で止まるのか。


既存システムとの連携で何が問題になるのか。


リリース後の運用で誰が困るのか。


経営側が想定していないコストは何なのか。


こうした「現実」は、実際にプロジェクトを経験した人間でなければ見えないことが多いのです。


二流の資料ほど、妙に綺麗になった


生成AI時代になって、少し厄介だと思うことがあります。

それは、中身の薄い資料でも非常に綺麗に見えてしまうことです。


フォントも整っている。文章も論理的。図表もある。横文字も並んでいる。

一見すると、それっぽい。


ところが詳しく読んでみると、

「それで、結局何を決めればいいの?」

となります。


選択肢がない。優先順位がない。リスクがない。数字の根拠がない。実行責任者がいない。


次のアクションがない。


そして何より、

「この選択をしたら、その先に何が起きるのか」

が書かれていない。


これでは意思決定できません。

資料として完成していても、経営ツールとしては未完成です。


一流の資料には「経験」が入っている

私が考える良い資料は、情報量が多い資料ではありません。


経営者や事業責任者が、

「では、この方向で進めよう」

と決められる資料です。


そのためには、単なる情報整理ではなく、

何を選ぶべきなのか。なぜそれを選ぶのか。他の選択肢は何なのか。どんなリスクがあるのか。いくら投資するのか。どこまで進んだら次の投資をするのか。撤退基準は何なのか。誰が責任を持つのか。


というところまで整理されている必要があります。


そして、この判断には実績と経験が必要です。

成功した経験。失敗した経験。プロジェクトが炎上した経験。顧客から怒られた経験。採用

に失敗した経験。見積もりを外した経験。事業を立ち上げた経験。経営した経験。


こうした経験の積み重ねから、

「このまま進むと、おそらくここで問題になる」

という感覚が生まれます。


私は、ここにプロフェッショナルの価値があると考えています。

AIは実力を平準化するのではなく、実力差を拡大する


生成AIが登場した当初、

「AIによって誰でも同じレベルの仕事ができるようになる」

という話をよく聞きました。


私はむしろ逆だと思っています。


AIは実力差をなくすのではなく、実力差をさらに広げる可能性があります。


経験のない人がAIを使えば、60点だったアウトプットを75点にできるかもしれません。

しかし、多くの修羅場を経験してきた人がAIを使えば、これまで80点だった仕事を95点、100点に近づけることができます。


なぜなら、AIから出てきた内容に対して、

「これは現実的ではない」「この数字はおかしい」「この順番では失敗する」「この論点が抜けている」

と判断できるからです。


AIの回答をそのまま使う人と、AIの回答を材料にして再設計できる人。

ここには非常に大きな差があります。


「AIを使っています」だけでは、もはや差別化にならない

これから、ほぼすべてのコンサルティング会社、システム開発会社、事業開発会社がAIを利用するようになります。


そのため、

「弊社はAIを活用しています」

という言葉だけでは、競争力にならなくなるでしょう。


重要なのは、

「誰がAIを使っているのか」

です。


事業を立ち上げたことがある人なのか。


大規模なシステム開発を経験した人なのか。


経営を経験した人なのか。


プロジェクトを立て直したことがある人なのか。


顧客との難しい交渉を経験した人なのか。


実際に結果を出してきた人なのか。


AIは、使う人間の経験や思考を増幅する道具です。


元になる経験がなければ、アウトプットもそれなりのものにしかなりません。


Tomorrow Futureが売りたいのは「資料」ではなく「意思決定の質」


Tomorrow Futureは、単に資料を作る会社でも、単にシステムを開発する会社でもありません。


私たちが提供したいのは、

「意思決定の質」

です。


新規事業であれば、

本当にその事業をやるべきなのか。どこから始めるべきなのか。どこまで投資するべきなのか。


システム開発であれば、

本当にその機能が必要なのか。どんな体制で進めるべきなのか。日本でやるべきなのか、ベトナムオフショア開発を活用すべきなのか。AIで自動化できる領域はどこなのか。運用まで考えた場合、どんな設計にするべきなのか。


こうしたところから一緒に考えます。

場合によっては、

「今は開発しない方がいい」

という結論になることすらあります。


それでいいと思っています。


システムを作ることが目的ではないからです。


お客様の事業を成長させることが目的だからです。


AI時代だからこそ「誰と仕事をするか」が重要になる

AIによって、アウトプットを作るスピードはこれからさらに上がります。


資料作成。プログラミング。テスト。分析。調査。

あらゆる作業が高速化していくでしょう。


だからこそ、人間に残る価値はより明確になります。

「何をやるのか」

「何をやらないのか」

「どこに投資するのか」

「誰とやるのか」

「どのリスクを取るのか」

そして、

「最終的にどんな結果を作りたいのか」

を決めることです。


綺麗な資料を作ることだけなら、AIで十分です。


しかし、企業の未来を左右する意思決定には、まだ人間の経験が必要です。

そして私は、これから企業がパートナーを選ぶとき、会社の規模やエンジニアの人数以上に、

「そこにどんな経験を持った人がいるのか」

が重要になると思っています。


AI × 実績 × 経験。

Tomorrow Futureが目指しているのは、単なるAI駆動開発会社ではありません。

AIを最大限活用しながら、経験を持つプロフェッショナルが事業構想から企画、要件定義、システム開発、ベトナムオフショア開発、そして運用・改善まで伴走する会社です。


AIで資料は作れる。

AIでシステムも作れる。

でも、

「何を作れば事業が伸びるのか」

まで決めてくれるわけではありません。


最後に差を生むのは、やはり人間の実績と経験です。


悲しきかな。

AI時代になっても、本物の経験だけはショートカットできないのだと思います。

 
 
 

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