AI時代に淘汰される「裸の王様経営」。最後に残るのは、責任を背負い、現場で試し続ける経営者

映画やドラマを見ていると、
「最後に一人で死ぬのは嫌だ」
「孤独になるのが怖い」
そんなセリフが出てくることがあります。
もちろん、人生にはさまざまな事情があります。
ただ、経営者として長く人や組織を見てきて思うことがあります。
孤独というものは、ある日突然やってくるものではありません。
人との関係を大切にしてきたか。
周囲に何を与えてきたか。
誰かのために責任を背負ってきたか。
困ったときだけ人を求めるのではなく、自分から誰かを支えてきたか。
その積み重ねの結果として、人間関係はつくられていくのだと思います。
これは経営もまったく同じです。
会社が苦しくなったときだけ社員に助けを求める。
売上が落ちたときだけ営業に発破をかける。
新しい技術が登場したら突然「AIを使え」と言う。
しかし、自分自身は現場に入らない。
これでは人も会社もついてきません。
人間は「責任を背負う」ことで強くなる
私は、家族を持つようになってから、自分自身の考え方が大きく変わりました。
自分一人だけなら、ある程度好き勝手に生きることもできます。
しかし、自分以外に守る存在ができると、そうはいきません。
体調を管理する。
仕事を投げ出さない。
感情だけで判断しない。
将来を考える。
お金について考える。
自分の行動が誰かの人生に影響することを理解する。
「今日は嫌だからやらない」
では済まされなくなります。
家族を持つことだけが責任ではありません。
社員を守ることでもいい。
お客様の事業を背負うことでもいい。
仲間との約束を守ることでもいい。
重要なのは、自分以外の誰かに対して、本当に責任を負った経験があるかどうかです。
責任を背負う人間は強くなります。
簡単に逃げなくなる。
感情をコントロールするようになる。
短期的な損得ではなく、中長期で物事を見るようになる。
そして、自分を律するようになる。
だから私は、重要なポジションを任せる人を見るとき、スキルや経歴だけでは判断しません。
「この人は、これまで何を背負ってきた人なのか」
ここをかなり見ています。
今、一番危険なのは「何十年も続いてきた普通の中小企業」かもしれない
最近、いろいろな企業の経営支援に関わる中で、強く感じていることがあります。
それは、
「20年、30年続いてきたから大丈夫」
という考え方が、むしろ危険になっていることです。
これまで会社が続いてきた。
一定の顧客がいる。
社員もいる。
毎年ある程度の売上が立っている。
そのため、経営者自身も「自分たちは間違っていない」と考えやすい。
しかし、生成AIの登場によって、その前提が一気に崩れ始めています。
これまで10人必要だった業務が、5人でできるようになる。
数日かかっていた資料作成が、数時間で終わる。
エンジニアが何日もかけていた調査や実装を、AIが大幅に支援する。
営業資料、マーケティング、分析、要件整理、プログラミング、テスト。
あらゆる仕事の生産性が急速に変わっています。
この変化の中で最も危険なのが、
「これまでうまくいっていたから、これからも大丈夫」
と考えることです。
「裸の王様経営」がAI時代に通用しなくなる
会社が長く続くと、経営者に意見を言う人が減っていくことがあります。
社員は社長の顔色を見る。
幹部は反対意見を言わなくなる。
外部の専門家も耳障りの良いことしか言わない。
そうすると、経営者本人だけが、
「自分は経営ができている」
と思っている状態が生まれます。
いわゆる「裸の王様」です。
厄介なのは、こうした状態の経営者ほど、現場から離れていることです。
顧客と話していない。
営業していない。
プロジェクトに入っていない。
新しいツールを触っていない。
失敗していない。
試行錯誤していない。
それなのに、
「AIはまだ使えない」
「うちの業界には合わない」
「人間にしかできない仕事がある」
「昔からこのやり方でやってきた」
と思想だけを語ってしまう。
私は、ここに非常に大きな危険性を感じています。
AIは「知識」ではなく「試行回数」で差がつく
生成AIについて重要なのは、AIについて詳しく語れることではありません。
実際に使っているかどうかです。
ChatGPTを使う。
Claudeを使う。
Geminiを使う。
AIを使って資料をつくる。
分析する。
モックをつくる。
システムを開発する。
営業活動に使う。
業務フローに組み込む。
失敗する。
プロンプトを変える。
もう一度試す。
この繰り返しです。
AI時代は、過去の肩書より「何回試したか」が重要になります。
これは経営者も同じです。
AIについて講演を聞いた回数ではありません。
AI関連の記事を読んだ数でもありません。
実際に自分の会社で何を変えたのか。
ここが問われます。
そして皮肉なことに、現場でトライ&エラーをしてこなかった経営者ほど、AIを使いこなすことが難しい。
なぜなら、AIには正解が用意されていないからです。
仮説を立てる。
試す。
失敗する。
修正する。
また試す。
これは、まさに経営そのものです。
AIによって「本当の実力」が可視化される
生成AIは、人間の能力をすべて均等に高めてくれる魔法の道具ではありません。
むしろ私は、AIによって人間の実力差が、これまで以上にはっきりすると考えています。
経験がある人。
現場を知っている人。
顧客を理解している人。
経営数字を理解している人。
プロジェクトを完遂したことがある人。
失敗したことがある人。
責任を取ったことがある人。
こうした人がAIを使うと、とてつもなく強い。
逆に、
評論だけしてきた人。
人に指示するだけだった人。
肩書だけで仕事をしてきた人。
失敗するポジションを避けてきた人。
責任を取ってこなかった人。
こうした人がAIを使っても、出てくるアウトプットは薄い。
AIは、その人が持っている経験や思考を増幅する装置でもあるからです。
これからの経営者に必要なのは「思想」より「実行」
私は、経営理念や思想が必要ないと言っているわけではありません。
むしろ非常に重要です。
しかし、思想だけでは会社は成長しません。
どれだけ素晴らしい言葉を掲げても、
売上が伸びない。
利益が出ない。
社員の給与を上げられない。
新しい事業が生まれない。
AIによる生産性向上も進まない。
それでは経営とは言えません。
思想は、実行によって初めて価値になります。
経営者自身が現場を見る。
顧客と話す。
数字を見る。
AIを触る。
新しいことを試す。
失敗する。
改善する。
また試す。
この繰り返しから逃げないことです。
Tomorrow Futureが経営課題から支援する理由
Tomorrow Futureは、単純に「システムを開発する会社」でありたいとは考えていません。
システム開発だけを切り取っても、本当の経営課題は解決できないからです。
売上が伸びないのであれば、なぜ伸びないのか。
利益率が低いのであれば、どこで利益が消えているのか。
社員の生産性が低いのであれば、業務プロセスのどこに問題があるのか。
新規事業が進まないのであれば、意思決定、組織、開発、営業のどこがボトルネックなのか。
そこから考える必要があります。
AIを導入することも目的ではありません。
ベトナムオフショア開発を使うことも目的ではありません。
システムをつくることさえ目的ではありません。
目的は、クライアント企業の事業を前に進めることです。
そのために必要なら、
経営課題の整理から入り、
事業企画を行い、
要件を整理し、
AIを活用し、
日本とベトナムの開発チームを組成し、
システムを開発し、
リリース後も運用・改善していく。
そこまで一気通貫で関わります。
最後に残るのは「責任を取れる人」だと思う
AI時代になればなるほど、人間に求められるものはシンプルになると思っています。
責任を取れるか。
人を大切にできるか。
現場から逃げないか。
自分自身で試せるか。
失敗から学べるか。
そして、自分以外の誰かのために動けるか。
技術は変わります。
市場も変わります。
AIもさらに進化します。
しかし、この部分は簡単には変わらない。
20年続いてきた会社も、30年続いてきた会社も、それだけではこれからの10年を保証してくれません。
過去の成功体験や肩書を守ることよりも、一度それを捨てて、もう一度現場に降りる。
AIを触る。
顧客と話す。
数字を見る。
失敗する。
改善する。
それを経営者自身がやれる会社は強い。
逆に、現場に出ず、過去の成功体験と思想だけを振りかざしている経営者にとっては、これから非常に厳しい時代になると思います。
AIが経営者を淘汰するのではありません。
「行動しない経営者」と「行動する経営者」の差を、AIが一気に広げる。
私はそう考えています。
Tomorrow Future株式会社では、AI導入、経営課題整理、新規事業立ち上げ、PM/PMO、要件定義、システム開発、ベトナムオフショア開発、運用改善まで一気通貫で支援しています。
「何から始めればいいのか分からない」
その状態でも問題ありません。
システムの相談からではなく、経営課題の相談から。
一緒に現場を見ながら、次の一手を考えていきます。




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