提案型のエンジニアのみ採用する
- Daisuke Neigisi

- 2月4日
- 読了時間: 5分
(Note掲載用|TomorrowFuture株式会社)
「ベトナムオフショア開発を使ってみたいけど、進め方がわからない」「すでに使っているけど、品質・納期・コミュニケーションが噛み合わない」「新規事業を最短で立ち上げたいのに、要件が固まらず手が止まる」
こうした相談を受けるたびに、私たちは“ある結論”に戻ってきます。オフショアか国内か、国籍か言語か、よりも先に、採用すべきは「提案できるエンジニア」だけだということです。
本記事では、オフショア開発がうまくいかない本当の原因と、TomorrowFuture株式会社が「提案型のエンジニアのみ採用する」と決めた理由、そして失敗確率を下げるための実践的な方法をまとめます。
オフショア開発が失敗する“根本原因”は「技術力不足」ではない
多くの企業が、オフショアの課題を「言語の壁」や「スキル差」と捉えがちです。しかし、現場で10年単位で日越ハイブリッド体制を見てきた立場から言うと、もっと本質的な原因はここです。
ゴールが曖昧なまま走り出す
仕様が未確定なのに、作るフェーズに入ってしまう
“言われたことを作る”だけで、目的に対する提案が出ない
結果として、手戻り・認識ズレ・納期遅延が増える
つまり、問題は「国籍」ではなく、提案が発生する設計(体制・採用・プロセス)が無いことです。(もちろん優秀なベトナム人エンジニアも多数います。重要なのは“どこで誰をどう使うか”の設計です。)
「提案型エンジニア」とは何者か?
私たちが採用基準としている“提案型”は、口が達者でアイデアマン、という意味ではありません。定義はシンプルです。
提案型エンジニア = 顧客の目的に対して、選択肢・リスク・優先順位を言語化し、合意形成まで持っていける人
具体的には、次の5つができる人です。
目的を確認する(「何のために作るのか」を言い切れる)
論点を立てる(曖昧さを分解し、質問できる)
複数案を出す(A案/B案、コスト・納期・品質のトレードオフ提示)
リスクを先に潰す(炎上ポイントを事前に潰す)
合意形成できる資料を書く(言った言わないを消す)
この能力は、上流(企画・要件定義・設計)だけでなく、開発・運用でも威力を発揮します。例えば、障害対応や仕様変更の局面で「次に何を決めるべきか」を提示できる人がいるだけで、プロジェクトの空気が変わります。
なぜ「提案できないチーム」は、永遠に上流が取れないのか
オフショア開発が“上流から仕事が取れない”と言われる背景には、構造的な理由があります。
上流工程は「正解が一つではない」
重要なのは、顧客の意図の読み取りと意思決定の支援
ここができないと、顧客は「結局こちらで決めるしかない」となる
結果、外部パートナーは「作業者」扱いになり、単価は上がらない
だから私たちは、採用の最上流に「提案力」を置きました。提案できる人がいない限り、どんなに優秀な実装者が揃っても、プロジェクトは“作業”から抜け出せないからです。
TomorrowFutureの結論:最適解は「提案者 × 実装者」の分業
私たちは、日越ハイブリッドの現場経験から、最も再現性が高い形を次のように整理しています。
提案・判断・設計を担うコア人材(提案型)
企画整理、要件定義、アーキ設計、見積、優先順位、品質基準、運用設計
実装・検証・運用の実行を担う人材(実行型)
実装、テスト、改修、監視、定型運用、ドキュメント整備
ここで重要なのは、“どちらが上か”ではありません。役割が違うだけです。そして、失敗するチームはだいたいここが逆転しています。
提案が必要なのに、実装者に丸投げ
設計判断が必要なのに、仕様書だけ渡して「作って」
結果、手戻り増・品質低下・納期遅延
だからこそ、私たちは採用方針として明言しています。
「提案型のエンジニアのみ採用する」(実行者は、提案型が設計した“勝てる型”の中で最大パフォーマンスを出してもらう)
提案型エンジニアを採るための「面接での見抜き方」
採用市場では「提案できます!」と言う人は多いです。でも、本当に提案できる人は少ない。だから面接は“問い”が全てです。
質問例1:要件が曖昧な案件を渡す
「美容院予約アプリを3ヶ月でMVP化したい。どこから確認しますか?」
見るポイント:
いきなり機能を語らず、目的・ユーザー・成功指標を確認するか
スコープを分けて、優先順位を付けられるか
期限・予算に応じて、削る判断ができるか
質問例2:仕様変更が起きた時の打ち手
「リリース直前で“決済を追加したい”と言われたらどうしますか?」
見るポイント:
“無理です”で終わらず、代替案(次リリース分割、簡易対応、運用回避策)を出せるか
リスク(審査・セキュリティ・運用負荷)を先に言えるか
意思決定を促す「選択肢の提示」ができるか
質問例3:文章で説明させる(これが最強)
提案型は、会話よりも文章・図で差が出ます。面接課題で「A4一枚でまとめる」だけで、上位数%が一発で分かれます。
「提案型だけ採る」と、コストは上がる。でもTCOは下がる
ここが誤解されやすい点です。
提案型人材は単価が高い。採用難易度も高い。しかし、プロジェクト全体のTCO(総コスト)は下がります。
理由は単純で、手戻りが減るからです。
仕様の抜け漏れが減る
早期にリスクを潰せる
優先順位が明確になる
開発チームが迷わない
品質基準が揃う
「単価が安い」より、「手戻りが少ない」が勝ちます。これはオフショアでも国内でも同じです。
提案型エンジニアが入ると、オフショアは“武器”になる
オフショアが不安定になるのは、オフショアそのものが悪いのではなく、設計が無いまま投げるからです。
提案型がいると、オフショアは一気に武器化します。
スコープが明確になる
チケットが整理される
Definition of Done(完了条件)が揃う
PRレビュー観点が統一される
品質が“仕組み”で担保される
結果、オフショアの強み(スピード・供給力・コスト)を、ちゃんと享受できます。
まとめ:採用基準を変えれば、プロジェクトの未来は変わる
ベトナムオフショア開発を成功させる最短ルートは、ノウハウ集ではありません。採用基準を変えることです。
提案できる人を“最初に”置く
実装者は、勝てる型の中で最大化する
体制を「提案者 × 実装者」で設計する
私たちTomorrowFuture株式会社は、これを再現性のある形として提供しています。企画〜要件定義〜開発〜運用監視まで“一気通関”で、まずは現状の課題整理からご相談ください。「何をどう頼めばいいか分からない」状態から、一緒に整理します。
お問い合わせ
TomorrowFuture株式会社根岸 大輔
070-2021-7382



