ラボ型で提供するオフショア開発はグロースしない
- Daisuke Neigisi

- 11 分前
- 読了時間: 9分
オフショア開発の光と影:上場企業の減損事例から学ぶこと
近年、日本企業にとって「オフショア開発」は
コスト削減
エンジニア不足の解消
24時間開発体制の実現
といった“魅力的な選択肢”として語られ続けています。特にベトナムは、優秀なエンジニアと高い費用対効果から、多くの企業が開発拠点を置く国になりました。名古屋でホームページ制作、Web制作なら株式会社エッコ+1
一方で、その裏側では「減損」という形で決算に表れてしまう失敗事例も増えています。しかもそれは、中小企業だけではなく、上場企業の大規模プロジェクトです。
本記事では、「なぜ上場企業ですら減損に追い込まれるのか」「ラボ型オフショアだけではなぜ危険なのか」そして「TF(TomorrowFuture)が一気通貫の“オーケストラ伴走型”でどうリスクを下げているか」
を、できるだけ具体的にお話しします。
上場企業の減損事例から見える「影」
事例1:基幹システム開発中止で150億円規模の減損
ある大手物流グループ(NIPPON EXPRESSホールディングス)は、航空貨物のグローバル基幹システムを開発していましたが、
当初計画を大きく上回るコスト増加
開発期間の大幅な延長
ベンダーとのコミュニケーション不全と検証プロセスの不足
といった理由から開発を中止。結果として約154億円の減損損失を計上しています。東洋経済オンライン
「ちゃんとした大企業」「きちんとしたベンダー」に任せていても、これだけの規模で失敗し得るという現実です。
事例2:JA全中システムの停止と200億円規模の損失
JA全中の業務管理システム「新Compass-JAシステム」でも、開発後の運用コストが想定の約3倍まで膨らみ、最終的には180〜220億円規模の損失につながったと報じられています。株式会社皆人
こちらも
当初の運用費見積もりの甘さ
システム全体のライフサイクル設計不足
プロジェクトマネジメントの不備
などが複合的に影響したとされています。
どちらも「ITなんてよくわからない中小企業がやらかした話」ではありません。潤沢な予算と人材を持つ上場企業ですら、システム開発・DX投資で大きな減損を生んでいるという点がポイントです。株式会社皆人+1
なぜ、ここまで失敗が繰り返されるのか
システム開発の世界では「プロジェクトの半分以上が失敗または部分的失敗に終わる」とも言われています。株式会社皆人では、その根本原因は何でしょうか。
1. 「一気通貫で見ている人」がいない
多くの失敗プロジェクトは、組織構造がこんな感じになっています。
事業部門:ビジネスゴールをなんとなく持っているが、要件に落とし込めていない
情報システム部門:社内調整とベンダー窓口に追われる
国内ベンダー:請負範囲だけを守る(上流〜運用までは担当外)
オフショア/ラボ:与えられたタスクを開発するだけ
全体像と責任を持つ“指揮者”がいないまま、オーケストラが演奏を始めてしまっている状態です。
2. コミュニケーションと文化のギャップ
ベトナムを含むオフショア開発の失敗要因としてよく挙げられるのが、
言葉の壁による要件の誤解
「行間を読む」「空気を読む」日本的コミュニケーションが通じないこと
報告・連絡・相談の粒度の違い
といったコミュニケーションギャップです。名古屋でホームページ制作、Web制作なら株式会社エッコ+2Tech vie(テックヴィー)│ベトナムのオフショア開発委託ガイド+2
日本企業側が「普通の品質で」「日本と同じ感じで」と依頼しても、その“普通”が共有されていないままプロジェクトが進み、気づいたときには進捗遅延と大量のバグ、炎上プロジェクト……というパターンは珍しくありません。ZDNET Japan
3. 「丸投げ」と「ベンダー任せ」の構造
もう一つの共通点は、
「うちはITが専門じゃないので、全部ベンダーさんに任せます」
というスタンスです。
企画の解像度が低いまま、「なんとなくDXしたい」という案件
業務整理やBPRを経ずに既存業務をそのままシステム化しようとする案件
ゴールやKPIがないまま、「とりあえずアプリを作る」案件
こうした案件は、誰が何に責任を持つのかどこまでをベンダー責任とするのか
が曖昧なままスタートしがちです。
この状態で海外ラボに「ラボ型開発」で投げてしまうと、減損のリスクはむしろ高まります。
ラボ型開発だけでは、減損リスクは下げられない
ラボ型開発とは何か(ざっくり)
ラボ型開発は、
一定人数のエンジニアを「月額固定」で
中長期で自社専属チームのように活用する
というモデルです。
プロダクトマネージャーやPO(プロダクトオーナー)が社内にいる企業にとっては、とても相性の良いモデルです。しかし――本記事の読者層のように、
「IT部門がない」「いても少人数」
「そもそも新規事業の企画から相談したい」
「要件定義や仕様書をどう書けばいいかわからない」
といった企業には、ラボ型“だけ”で進めるのはかなり危険です。
何が起きるか
ラボ型からいきなりスタートすると、よくこんな事態になります。
要件が固まっていないまま月額コストだけが発生し続ける
「とりあえず作ってみた」が増え、コードはあるのに事業インパクトがない
社内にPMやアーキテクトがいないため、技術的負債と仕様変更が積み上がる
1〜2年経っても、ビジネス的な成果が曖昧なまま投資額だけが膨らむ
結果として、その投資が将来キャッシュフローで回収できないと判断されれば、**減損処理(資産価値の一括切り下げ)**につながってしまいます。TKCグループ
つまり、ラボ型自体が悪いのではなく、
「ラボ型だけで、ビジネスとIT全体を設計する“指揮者”なしで始めてしまう構造が危険」
ということです。
「オーケストラ伴走型」の一気通貫体制とは?
TomorrowFuture(以下、TF)が大事にしているのが、「オーケストラ伴走型」の一気通貫体制です。
イメージとしては、
クライアントが「作曲家(ビジネスオーナー)」
ベトナムのエンジニアが「各楽器セクション」
TFが「指揮者兼プロデューサー」
という関係です。
フェーズごとに“伴奏”する
TFでは、単に「開発を請け負う」のではなく、企画〜運用監視までを一つの線として設計します。
新規事業・企画フェーズ(0→1)
ビジネスモデルの整理
収益ポイント・KPI設計
システム化する範囲/しない範囲の切り分け
要件定義・アーキテクチャ設計(1→設計)
顧客体験・業務フローの設計
画面遷移・データ構造・インターフェースの整理
既存システムとの連携、セキュリティ・権限設計
ベトナム開発チームの組成・マネジメント
必要スキルを定義し、チームを組成
タスク分解、スプリント設計、レビュー・QA/QC体制構築
日本側PM/ブリッジSEが日越双方の認識を揃え続ける
テスト・リリース・運用監視
UT〜結合・総合テスト、UATの支援
リリース計画と段階的な本番切り替え
障害監視、ログ分析、継続的な機能改善
これらを**“オーケストラの指揮者”として一気通貫で支える**のがTFのスタイルです。
単発の開発フェーズだけを切り取って請け負うのではなく、クライアント企業の「事業」と「システム」をセットで見にいくところに、一般的なベトナム開発会社との大きな違いがあります。
なぜ「ベトナム単体の開発会社」には難しいのか
ベトナムの開発会社は優秀です。しかし、多くの会社が得意としているのは、
すでに要件が固まっている開発の実装部分
仕様書とタスクが明確なプロジェクト
既存プロダクトの機能追加や運用開発
といった領域です。
一方で、本記事の読者企業が抱えているのは、もっと手前の悩みです。
「そもそも何から始めればいいか分からない」
「要件定義のやり方が分からない」
「社内にIT部門がない/いても戦略を描けない」
こういった“ゼロイチの企画〜上流工程〜運用設計まで含めた難易度の高い案件”は、ベトナム側単独では責任を持ちにくい領域です。
だからこそ、
「ラボ型を売りにするベトナム開発会社だけでは、日本市場で大きな案件を取りづらくなっている」
という構図が生まれています。
クライアントが本当に求めているのは、
「企画段階から壁打ちできるパートナー」
「要件定義〜設計〜開発〜運用をまとめてオーケストラしてくれる存在」
であり、「とりあえずラボで人だけ確保します」という会社ではないのです。
T
Fが開発案件を受託できている理由
TFが上場企業グループを含むクライアントから「企画から運用まで丸ごと任せたい」という形で開発案件をお預かりできているのは、まさにこの点です。
1. 新企画〜要件定義〜開発〜運用監視まで、一気通貫でオーケストラ
TFは、案件を「開発フェーズ」だけで切りません。
企画フェーズ:事業サイドと一緒にビジネスを組み立てる
要件・設計フェーズ:業務・UX・データモデルまで落とし込む
開発フェーズ:ベトナムのエンジニアチームを最適に編成する
運用・監視フェーズ:リリース後もKPIやログを見ながら改善する
というオーケストラ伴走型で、プロジェクトライフサイクル全体を見に行きます。
2. 日越ハイブリッドだからこそできる“翻訳”と“橋渡し”
日本側:ITコンサル・PM・アーキテクト
ベトナム側:実装力の高いエンジニアチーム
という構成で、「ビジネス日本語」⇔「設計書」⇔「英語/ベトナム語」の三層を翻訳し続ける役割を担っています。名古屋でホームページ制作、Web制作なら株式会社エッコ+1
これにより、
要件の“ふんわり”をなくす
文化・言語差から生じる認識違いを事前に潰す
クライアントの立場で品質とスケジュールをマネジメントする
ことが可能になります。
3. 「減損させない設計」を前提にした投資ストーリー作り
単に「システムを作る」のではなく、
どのくらいの期間で投資回収を狙うのか
どの機能が収益/コスト削減に効くのか
ランニングコストと運用体制をどうコントロールするか
といった投資ストーリーとセットで設計することで、減損リスクを下げることを意識したプロジェクト設計をしています。TKCグループ+1
こんな企業は、ぜひ一度相談してほしい
本記事は、次のような企業を想定して書いています。
ベトナムオフショア開発を活用したいが、進め方がわからない
すでにベトナムオフショアを使っているが、品質やスピードに不満がある/炎上しかけている
新規事業を立ち上げたいが、企画〜要件定義〜開発までのイメージがつかない
社内にIT部門やPMがほとんどおらず、「まずは壁打ちから」相談したい
企画から要件定義、システム開発、運用監視まで一気通貫で任せられるパートナーを探している
もしどれか一つでも当てはまるなら、ラボ型だけに丸投げする前に、まずは一度ご相談いただく価値はあると思っています。
まとめ:光を最大化し、影を最小化するために
オフショア開発には、間違いなく「光」があります。
人材不足を補える
コスト競争力を高められる
グローバルな技術力を取り込める
しかし同時に、指揮者不在・丸投げ構造・コミュニケーションギャップが重なると、上場企業ですら数十億〜数百億円規模の減損を生む「影」の側面を持っています。東洋経済オンライン+1
TFは、
新企画〜要件定義〜開発〜運用監視までを
日越ハイブリッドチームで
オーケストラ伴走型で一気通貫に支える
ことで、オフショア開発の光を最大化し、影を最小化することをミッションにしています。
「うちの案件は、そもそもどこから相談すればいいのか?」という段階でも構いません。
まずは「"減損させないIT投資・オフショア戦略”の壁打ち相手」として、TomorrowFutureに気軽に声をかけていただければ嬉しいです。




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