All Star SaaS Fundに参加して感じたこと
- Daisuke Neigisi

- 8 時間前
- 読了時間: 11分
― AI時代に求められるのは「開発会社」ではなく、変革を実行できるパートナーである ―
先日、All Star SaaS Fundが主催するAI関連イベントに参加させていただきました。
会場はほぼ満席で、参加されている方々も、新規事業責任者、PM、PdM、エンジニア、CXO、AIスタートアップ関係者など、実際にプロダクト開発や事業推進の現場に向き合っている方々が中心でした。
非常に熱量の高い空間であり、単なる情報収集の場ではなく、今まさにAIをどのように事業へ取り込むべきか、各社が真剣に模索していることを強く感じました。
今回のイベントを通じて、私自身が最も大きく感じたことがあります。
それは、AI活用のフェーズが明確に変わったということです。
これまでは、「AIを使ってみる」「ChatGPTを業務に取り入れてみる」「AIで一部の作業を効率化してみる」という段階でも、十分に先進的な取り組みとして捉えられていました。
しかし、これからの時代はそれだけでは不十分です。
今後求められるのは、AIを前提として、業務・組織・プロダクト・事業そのものを再設計することだと感じました。
これは、システム開発に関わる企業にとっても、AIを導入したい企業にとっても、非常に大きな変化です。
AIは「試すもの」から「成果を出すもの」へ変わり始めている
今回のイベントで特に印象に残ったのは、AI活用が実験段階から成果追求の段階へ移行しているという点です。
これまでは、
AIで議事録を作成する
AIで文章を要約する
AIチャットボットを導入する
AIで画像を生成する
といった取り組みが、AI活用の代表例として語られることが多かったように思います。
もちろん、これらも非常に有効な活用方法です。
しかし、今後のAI活用において重要になるのは、単なる業務効率化ではありません。
AIによって売上がどれだけ向上したのか
AIによってコストがどれだけ削減されたのか
AIによって顧客対応品質がどれだけ改善されたのか
AIによって意思決定スピードがどれだけ上がったのか
AIによって新規事業の立ち上げがどれだけ早くなったのか
このように、AIの価値が「成果」で語られる時代に入っていると感じました。
特にアメリカのAI企業では、AIツールを提供するだけではなく、顧客の業務に深く入り込み、実際の業務成果まで追いかけるモデルが広がり始めています。
これは、従来のSaaSやシステム開発とは大きく異なる考え方です。
AIを導入して終わりではなく、AIによって成果を出すところまで責任を持つ。
ここに、これからのAIビジネスの本質があると感じました。
これからは「開発できる会社」だけでは差別化が難しくなる
私はこれまで、システム開発、PM/PMO、ベトナムオフショア開発、新規事業立ち上げ支援など、多くのプロジェクトに携わってまいりました。
その経験を踏まえて今回改めて感じたのは、今後は「開発できる会社」というだけでは、十分な差別化が難しくなるということです。
AIの進化によって、開発の生産性は大きく向上しています。
コードを書くスピード、テストを行うスピード、ドキュメントを作成するスピード、調査を行うスピードは、今後さらに加速していくはずです。
そうなると、単純に「人月で開発する」「依頼されたものを作る」というモデルは、徐々に価値が下がっていく可能性があります。
一方で、より重要になる価値があります。
それは、
顧客の業務を理解する力
経営課題を整理する力
新規事業の仮説を設計する力
要件を定義する力
プロジェクトを推進する力
現場にAIを定着させる力
成果が出るまで改善し続ける力
です。
つまり、AI時代に求められるのは、単なる開発会社ではありません。
顧客の事業課題に入り込み、AIとシステム開発を活用して、成果創出まで伴走できるパートナーです。
この点は、TomorrowFuture株式会社としても非常に重要な方向性だと感じています。
FD(Forward Deployed)という考え方から得た大きな学び
今回のイベントで、私が特に大きな学びを得た言葉がありました。
それが、FD(Forward Deployed)という考え方です。
FDとは、簡単に言えば、顧客の現場に深く入り込み、業務理解・課題整理・AI導入・システム実装・改善までを一体で推進するチームのことです。
従来のシステム開発では、
要件定義を行う
設計する
開発する
納品する
という流れが一般的でした。
もちろん、この流れ自体は今後も必要です。
しかし、AI時代においては、それだけでは成果に結びつかないケースが増えていくと考えています。
なぜなら、AIは導入しただけでは正しく機能しないからです。
企業の現場には、AI導入以前に整理すべき課題が数多く存在します。
例えば、
業務フローが属人化している
社内データが整理されていない
ナレッジが個人に依存している
APIが整備されていない
システム間連携が不十分
承認フローが曖昧
現場と経営の認識がずれている
このような状態でAIツールだけを導入しても、本質的な成果にはつながりにくいと感じています。
だからこそ、顧客の現場に入り込み、業務を理解し、AIが機能する状態を作るFD型の支援が重要になります。
これは、AI時代における新しいPMOの形でもあると感じました。
AI時代におけるPM/PMOの価値は、むしろ高まる
AIが進化すると、PMやPMOの役割は小さくなると考える方もいるかもしれません。
しかし、私は逆だと考えています。
AI時代だからこそ、PM/PMOの価値はさらに高まります。
なぜなら、AIを活用するほど、プロジェクトの論点はより複雑になるからです。
AIを導入する際には、
どの業務をAI化するべきか
どのデータを活用するべきか
どのKPIを改善するべきか
どこまでを自動化し、どこから人間が判断するべきか
どの部署を巻き込むべきか
どのように現場へ定着させるべきか
といった判断が必要になります。
これは、単なる技術論ではありません。
業務理解、組織理解、経営理解、プロジェクト推進力が必要になります。
つまり、AI時代におけるPM/PMOは、単なる進捗管理者ではなく、AIを事業成果へ接続する変革推進者になる必要があります。
TomorrowFuture株式会社としても、この領域は今後さらに強化していきたいと考えています。
ベトナムオフショア開発は、AI時代にこそ進化できる
AIの進化によって、「オフショア開発は不要になるのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私はむしろ逆だと考えています。
AI時代において、ベトナムオフショア開発の価値はさらに高まる可能性があります。
ただし、従来型のオフショア開発のままでは難しいとも感じています。
従来型のオフショア開発では、
コストを下げるために活用する
実装だけを依頼する
指示されたものを作る
という位置づけになりがちでした。
しかし、AI時代に求められるオフショア開発は違います。
これから必要なのは、AIを活用しながら、高速に実装・検証・改善を回せるオフショア体制です。
日本側では、
事業設計
業務設計
要件定義
AI活用設計
PM/PMO
顧客折衝
を担い、ベトナム側では、
AI実装
API連携
RAG構築
UI開発
テスト
QA
運用改善
を高速に実行する。
このような体制を構築できれば、AI時代において非常に強い開発モデルになると考えています。
重要なのは、ベトナムオフショアを単なる「安価な開発リソース」として見るのではなく、
AI時代の実行力を支える開発パートナーとして再定義することです。
ここに、TomorrowFuture株式会社としての大きな可能性を感じています。
AI活用で最も重要なのは「コンテキスト」である
今回のイベントで何度も議論されていた重要なテーマがあります。
それが、コンテキストです。
AIモデルの性能は、今後さらに向上していきます。
一方で、ChatGPT、Claude、Geminiなど、主要なAIモデルの性能差は徐々に縮まっていく可能性があります。
その時に差別化要因となるのは、AIモデルそのものではなく、企業が持つ独自のコンテキストです。
ここでいうコンテキストとは、
社内ルール
業務フロー
顧客情報
商品情報
過去の議事録
提案書
契約条件
承認プロセス
トラブル履歴
プロジェクトの経緯
など、企業活動の中に蓄積されている知識や背景情報のことです。
AIに正しい成果を出させるためには、このコンテキストを整理し、AIが活用できる状態にする必要があります。
しかし、多くの企業では、この情報が散在しています。
フォルダ、メール、Slack、Excel、Notion、基幹システム、個人の頭の中など、さまざまな場所に情報が分散しています。
この状態では、AIを導入しても十分な効果は発揮しにくいと考えています。
だからこそ、今後はAI導入の前段階として、
業務整理
情報整理
データ整備
システム連携
ナレッジマネジメント
権限設計
が非常に重要になります。
AI時代における競争力は、AIツールを導入しているかどうかではなく、自社のコンテキストをどれだけ整理し、活用できる状態にしているかで決まるのではないかと感じています。
新規事業においても、AIは大きな武器になる
AIは既存業務の効率化だけでなく、新規事業開発においても大きな力を発揮します。
新規事業では、
市場調査
競合分析
顧客課題の整理
MVP設計
プロトタイプ開発
仮説検証
営業資料作成
ユーザーインタビュー分析
など、多くの作業が発生します。
これらをAIで支援することで、新規事業のスピードは大きく向上します。
ただし、新規事業においても、AIを使えば自動的に成功するわけではありません。
重要なのは、AIを使いながらも、
誰の課題を解決するのか
どの市場を狙うのか
どのように収益化するのか
どのような順番で検証するのか
どこまでを開発し、どこから検証するのか
を正しく設計することです。
つまり、AI時代の新規事業開発においても、必要なのは「技術」だけではありません。
事業構想、プロダクト設計、開発推進、仮説検証を一気通貫で進める力が重要になります。
この領域も、TomorrowFuture株式会社として今後さらに支援を強化していきたい分野です。
TomorrowFuture株式会社として取り入れるべき戦略
今回のイベントを通じて、TomorrowFuture株式会社として取り入れるべき方向性がより明確になりました。
それは、単なるシステム開発会社ではなく、AIネイティブ変革パートナーとして進化していくことです。
具体的には、以下の領域を強化していく必要があると考えています。
1. AI活用を前提とした業務設計支援
AIツールを導入するだけではなく、業務フローそのものを見直し、AIが成果を出せる状態を設計します。
2. AI時代のPM/PMO支援
AI導入プロジェクトや新規事業開発において、進捗管理だけではなく、課題整理・意思決定支援・関係者調整・成果管理まで支援します。
3. ベトナムオフショア開発のAIネイティブ化
ベトナム開発体制にAIを活用し、実装・QA・運用改善のスピードと品質を高めていきます。
4. RAG・AIエージェント導入支援
社内ナレッジや業務データを活用し、問い合わせ対応、営業支援、PMO支援、QA支援などに活用できるAIエージェント導入を支援します。
5. 新規事業の構想から開発・運用までの一気通貫支援
企画、要件定義、MVP開発、検証、改善、運用監視まで、事業立ち上げに必要なプロセスを一貫して支援します。
このような支援を通じて、TomorrowFuture株式会社は、AI時代における企業の変革を実行面から支える存在でありたいと考えています。
「作って終わり」ではなく「成果が出るまで伴走する」
システム開発において、最も避けるべきことは、作ること自体が目的になってしまうことです。
本来、システム開発の目的は、事業課題を解決することです。
AI導入も同じです。
AIを導入すること自体が目的ではありません。
重要なのは、AIによって何を変えるのか、どのような成果を出すのかです。
そのためには、
最初の課題設定
要件定義
開発体制
データ整備
運用設計
KPI設計
改善サイクル
まで、一貫して考える必要があります。
TomorrowFuture株式会社としては、単に開発を受託するだけではなく、成果が出るまで伴走する開発・AI活用パートナーでありたいと考えています。
AI時代に不安を感じている企業様へ
現在、多くの企業様が、次のような課題を抱えていると感じています。
AIを活用したいが、何から始めればよいかわからない
ChatGPTを導入したが、業務成果につながっていない
新規事業を立ち上げたいが、進め方がわからない
システム開発をしたいが、要件定義ができない
ベトナムオフショア開発を活用しているが、うまくいっていない
PM/PMO人材が不足している
開発会社とのコミュニケーションに課題がある
企画から開発、運用監視まで一気通貫で相談できる相手がいない
このような課題は、決して珍しいものではありません。
むしろ、AI時代に入ったことで、多くの企業が同じような悩みを抱え始めていると感じています。
だからこそ、重要なのは、最初から完璧な答えを出すことではありません。
まずは課題を整理し、小さく始め、検証し、改善しながら前に進めることです。
AI時代の事業開発・システム開発においては、この進め方が非常に重要になると考えています。
最後に
All Star SaaS Fundのイベントに参加し、AI時代の変化を改めて強く感じました。
AIは、単なる効率化ツールではありません。
企業の業務、組織、プロダクト、新規事業、そして経営そのものを変える可能性を持っています。
一方で、AIは導入すれば自動的に成果が出るものでもありません。
本当に重要なのは、AIを活用できる業務へ変革し、現場へ定着させ、成果が出るまで改善し続けることです。
これからの時代に求められるのは、単なる開発会社ではなく、AIとシステム開発を活用して、企業変革を実行できるパートナーだと考えています。
TomorrowFuture株式会社としても、AI、PM/PMO、ベトナムオフショア開発、新規事業開発支援を組み合わせながら、企業様の課題解決に貢献してまいります。
AIを活用したい。新規事業を立ち上げたい。システム開発を進めたい。ベトナムオフショア開発を見直したい。何から始めればよいかわからない。
そのような企業様にとって、まず相談できる存在でありたいと思っています。
TomorrowFuture株式会社 代表取締役 根岸 大輔 070-2021-7382 daisuke.negishi@tomorrowfuture.co.jp https://www.tomorrowfuture.co.jp/




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